もう少しだけ旅させて

旅日記、のようなもの(2012-16) 基本一人旅 旅に出てから日本語を使わないので、忘れないように。ほとんど本人の備忘録になりつつあります。情報は旅行時のものです。最近はすっかり懐古モードでひたすらノスタルジーに浸っています。

緑のムンバイ

とりあえず街に出よう。真っ昼間からどの街角にも人があふれているのはインドらしい。いつものとおり、のんびりと周囲を見回しながら散策を始めた。

ところがである。どんどん追い抜かれる。人々の歩く速度が早いのだ。そのうえ、止まるとか、避けるとか、譲るとか…、人が街に集まって生活するうえでの基本的な行動が、で き て い る のだ。これまでのつもりいると少し面食らう。こちらの方が恥ずかしい動きをしてしまう。

大通りを歩けば視線は自然と上の方へ向かう。街路樹の上にのぞく建物には様々な意匠の工夫が施してあり、どれも見ていて飽きない。足元はアーケードとなっていて、細かな装飾の付いた柱や高い天井は自分がインドにいるということを忘れてしまう(ただしこれもれっきとしたインド)。柱の間に置かれた植物など細かい心使いがうれしい。

この時期のインドはまだ暑い。昼下がりから夕方にかけては、歩くのが嫌になり宿に帰って昼寝などしてしまうことが多かったが、ここでは違う。アーケードや大きく拡がる街路樹伝いに歩けば、陽射しを避けてあちこちさまよい続けることもできる。


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ここは都会なんだな、というあたりまえの事実が、びんびん体に響いてくる。
それはつい最近まで自分が存在していた世界なのだが、もう既に懐しさを感じる。



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街中を散策しながら写真を撮ったが、宿に帰りじっくり見てみると、コロニアル様式の美しい建物の多くは、青々と繁った生命力みなぎる樹木に隠れて、その全体がはっきりと写ったコマは少なかった。
ムンバイに溢れているものは人や車だけではない。ムンバイは緑にあふれている。

サウスムンバイの限られた地域のみだが、妙に清々しい印象を持った。