もう少しだけ旅させて

旅日記、のようなもの(2012-16) 基本一人旅 旅に出てから日本語を使わないので、忘れないように。ほとんど本人の備忘録になりつつあります。情報は旅行時のものです。最近はすっかり懐古モードでひたすらノスタルジーに浸っています。

82カ国目、ブルネイ・ダルサラーム国

シンガポール → KL乗換 → バンダルスリブガワン

AK1802 SIN-KUL 
AK1696 KUL-BWN 

シンガポールからブルネイへはエアアジアで飛んできた。これで82カ国目。この旅の最初の訪問国マレーシアが63カ国目だから、半年の間で20もの新たな国を訪れたことになる。

こんなに忙しい旅は初めてじゃあないか?
南アジアにはゆっくり居たようにみえるが、だだっぴろい国でひたすら動きまわっていたのが実情である。
旅を通して日本人バックパッカーが集まるような場所に行かなかったということも、その一因かもしれない。


そして、ようやく最後の国、ブルネイである。
この国は金持ちで裕福なわりには内情があまり知られていない。まあ、観光立国というわけでもない小さな国であるせいだろう。

工事中の空港に降り立ち、まず市内へ行くバスを探すも見つからない。新しいターミナルをすぐ隣に建設中とのことで、仮囲いで導かれた先のわかりにくい場所にあるとインフォメーションで教えてもらうが、今度は待てども全然やってこない。しばらく待っていろと言われるが、バスを待っている利用客などいないようだ。やはり裕福な人しかこの国にはいないのだろうか。結局タクシーを利用する。

緑の多い静かな田舎の風景に建物が増え始め、いつの間にか街中へ。

普通にきれいで、静かなこじんまりとした街。首都である割には特徴のない街並。人々もおとなしく、街中はどこもクリーンで落ち着いた雰囲気。ひととおり歩きまわるが猥雑なところは見受けられない。ショッピングセンター内外にも賑わいが感じられない。イスラムで、東南アジアで、この雰囲気は珍しいと思った。オイルマネーで潤う金満な国の雰囲気が無いことは知っていたが、ここまで想像が外れたのは珍しい。
川沿いに午前中に開くアジアっぽい市場や、夜になると人が出てくる水辺のオープンエアの食堂ぐらいしか興味をひかない。夜も早く、歓楽街など(表だって?)見られないのは、それはある意味イスラムっぽい味気無さなんだろう。

この街に住んでいるひとは宗教に生きる敬虔な人たちなのだろうか。生活水準が低くはないことはわかるのだが、何を娯楽に生きているのだろうか。夕食後、対岸の小さな灯りを眺めながら水辺を散歩、何だかとても妙ちきりんな気持ちになった。

でも、その対岸の小さな灯りにこそ、この地を訪れる意味がある。