ザンジバル ストーンタウン
同じような海の町として栄えたラムとは少し趣が違う。より多くの人が住み多くの通商が行われた。時代と、町の規模が違うものだ。
とはいえこの町でも、どこまでも青い空が広がる海辺の開放感と比べれば、人間たちの生活空間は狭く暗く、息苦しさすら感じてしまう。
これは世界中で結構共通のことで、インド洋沿岸だろうが地中海だろうが、独立して海運や交易により身を立てる町は、自分たちを脅かす他の存在から自ら身を守らなければならない。防御的な生活の仕方といえるだろう。それにしても不思議な知恵だと思う。
集まって住むにも色々な方法があるものだと、世界を旅すると本当に感心することばかりだ。
まあここは観光地でもあるので、部分的にはツーリスティックなのだが、さらに奥へと続くこの冗談ではなく本当に迷路のような細い道に入り込むと、頭の中からは観光の二文字は消え去り時間を忘れてしばらく彷徨い歩くことになった。
それに飽きたらとりあえずは海辺に出る。砂浜のクリーム色と海の青さのコントラストが美しい。暗く湿ったストーンタウンの町中とはあまりに対照的な光あふれる空間に、同じ場所とは思えないほどだ。
心地良い風に身をまかせて沖に浮かぶボートを眺めたりしていれば、バックパッカーでも気分は少しだけリゾート。
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BGM ; ZANZIBAR by Billy Joel
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