香港から山西省まで戻ることにした。蘭州まで来て一旦OUTしたのだから次は西安INとして旅が続いているような気分でいたかったのだ。少しでも費用を切り詰めたかったので当初は陸路での移動を考えた。長沙、武漢を経由するルートになるだろうと考え凡その金額を念頭に置いた。ところがネット検索中に深圳から太原までのフライトが意外と高価でないことを知った。日本円にして約1万4千円だった。それなら前述の経路で列車を乗り継ぎ何日か滞在して観光地の高い入場料を払ったりするよりかは、スマートな(どういう意味だ?)移動ではないか。一晩考え翌日チケット購入。
来た道を逆にたどって香港から深圳へ。マッシミリアーノ・フクサス設計の空港建物、奇妙な天井を再び目にすることになるとは思わなかった。これこそ、再見!である。しばらく名前を聞かなかったがフクサスも中国で仕事をしていたのか。
海南航空を利用したが機内食の海南鶏飯!は意外と美味。生姜味のソースと醤油味のソースをかける。安い国内線でも何だかんだでそれなりの味の食事が出されるここは中国。
フライトは3時間。難無く机場汽車に乗り込み街の中心へ。
香港から太原まで戻り、中国旅が再スタート。
山西省は麺食のふるさとといわれるだけあり、チェーン店のようなレストランを除きこの町にある食堂はみな麺屋だ。米を食べたいな、と思ってもたいていの安食堂には麺料理しかなかったりする。まあ嫌いじゃないから構わないけど゙… 夜の散歩がてらに夕食処を探す。やはりというか刀削麺を食べることになった。その後デザートに入ったKFC、コーヒーが高い奴しかない!ファストフードの中では味は良い方だが、10元も出すのなら専門店で飲みたいのだ。ただしそんなが店あったらの話。
喬家大院
ここは明や清の時代に金融等で財を成した山西商人のなかでも有名な乔一族の大邸宅です。TVドラマの舞台にもなり中国国内でも人気の観光地となっています。場所は太原と平遥の間にありますがどちらからも日帰りの観光コースです。僕は太原からバスで往復しました。建南汽車站から祁県行きのバスで1時間半くらい。国道沿いに大きな門が見えるので迷うことなく入口へ。でもこれは明らかに後付けの作為的な整備で、不自然な雰囲気が中国らしいといえば中国らしい。
ちょっと気温が低く感じられるのは最近ビタミンの摂取が少ないためだろうか、なんて思った。食事は炭水化物が多いもんなあ。
美観だが煉瓦造でかっちりとした家屋のせいか寒々しく感じられる。薄霧で霞んだような天候のおかげで気も晴れない。木造の細やかな造作は相変わらず見事だ。
遅い昼食をバス停前の食堂でとったのち太原に帰る。
文庙と崇善寺を訪れる。大通りから一歩入って普通の人が住む住宅街を暗くなるまで歩き回った。地方都市独特の静かだが少し冴えない色彩に染まった素朴な街並みが好きだ。中国では表通りは何処も彼処も力み過ぎでやりすぎ感が溢れているが、裏町には忘れ去られたかのような時の澱みが至る所で感じられる。疲れがたまるとそんな空気を吸ってみたくなる。お寺の境内なんか日本のものとは雰囲気が少し違うのだがやっぱり気分は落ち着く。