馬蹄寺 Mati Si
張掖ではフビライが生まれた所とされている大仏寺を訪れた翌日、馬蹄寺まで足を伸ばした。ここも崖に掘り込まれた岩窟寺院でチベタンでもある。真っ白なチョルテンや色とりどりのタルチョが美しく、何だか懐かしくもある。ついに中国のチベット圏に足を踏み入れるのだなという実感が湧く。
オフシーズンの現在は直通バスはなく、南站から南古行きのバスに乗り馬蹄河というバス停で降りる。ここは数件の店があるだけの二差路でタクシーが1台待っていた。価格交渉をするがうまくいかず運転手の言い値往復80元で手を打つ。
崖を掘り込んだ岩窟寺院であるだけでなく、崖に嵌め込まれたという印象もある。個人的には三朝の投入堂を思い起こさせる。黄河沿岸一帯は乾燥地域で材料となる木材を大量に調達するのは簡単ではないようにみえる。建物一つ建築するにしても高度な技術の蓄積が必要であり、崖を掘り込むほうが安定した環境を当時は容易に実現できたのだろう。
木造の部分は時代が進み既に技術の確立した後年の建築だ。