もう少しだけ旅させて

旅日記、のようなもの(2012-16) 基本一人旅 旅に出てから日本語を使わないので、忘れないように。ほとんど本人の備忘録になりつつあります。情報は旅行時のものです。最近はすっかり懐古モードでひたすらノスタルジーに浸っています。

夏河→郎木寺→若爾盖→松藩

夏河→郎木寺→若爾盖→松藩

 

 

 

夏河ではちょっとしたプロブレムのため滞在が1日延びてしまった。ただ結果的にはこれで良かった。というのも風邪をひいてしまって未だ体調が回復をしていなかったからだ。中国の安宿は部屋に暖房設備が無いためとても寒いのだ。極端に安い宿で無い限り電気マットがベッドのシーツの下に敷かれてはいるのだが、部屋が寒いというのは快適ではない。隣接する中央アジア(CIS)では一度ソ連の手が入ったせいか、ボロい宿でも部屋内にはスチーム暖房程度の設備はあった。インドやパキスタン、中国では客に布団に潜らせてひたすら我慢させるようだ。

 

日の出前まだ暗い中バスで夏河を発つ。足下が冷えるのでこれからは靴下を2枚重ねにしないといけない。途中合作、碌曲を経由して昼前に郎木寺の三叉路に着く。目指すは郎木寺賓館。看板は直ぐに目に付いたので歩いていくと、閉鎖。扉に板が打ち付けてあるので間違いないだろう。あー、またかよ、と舌打ちしながら坂の上の方に眼をやると、新旅朋国際青年旅舎の文字が… とりあえずチェックイン。ここはまだ新しい宿で老板はなんと日本人女性と結婚したという若者だった。でも日本語の単語が幾つか判るものの会話をするまでには至らない。奥さんと子供はどこにいるのか聞き出したかったが出来なかった。闇鍋の様に怪しい麻辣湯の昼食を一緒にご馳走になる。この宿だが、受付を兼ねたコモンルームは広く快適なのだが、それ以外が…まだ未完成なのか?穴だけのポットントイレはいいとして、洗面台もシャワールームもあるのだが水栓金具が付いていない。要するに水が無いのだ。お湯は魔法瓶に入れて洗面器と一緒にもらうことになる。部屋はきれいだが以前の宿泊者の床も直されていないし、何だか新しいだけの残念な宿のようだ。金が足りなかったのだろうか。それともそもそも水道が通っていない場所なのだろうか。来シーズンに期待すると言うほかない。2日泊まると伝えたが1日で発つことにした。滞在者は自分一人、寒いうえに淋しいところに長居は無用だ。

午後は甘粛、四川それぞれのエリアにある寺を訪れた。ここは実は町中に省境のある不思議なところだ。日曜日のせいか訪問者がやたらと多い。みな門票無しで金など払わず自由に出入りし参拝していた。セルティゴンパの方は金ピカでリッチな雰囲気、キルティゴンパの方は少しくすんだ感じでこちらの方が雰囲気は良いと思った。その後町中を散策。小さな町なので時間はかからない。中華っぽい清真寺の傍らに小さな回民街があった。青年旅舎なるものを他に4軒ほど見つけたがそのうち3軒は冬季休業中のようだ。さすがにこの規模の町に5軒は、特に旅行者のほとんどいないオフシーズンにはやっていけないだろう。新旅朋は開けているだけマシなのだ。中国ではYHAChina所属のユースすら冬季休業をするところもある。(12/6)

 

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今日も早朝出発。寝ている老板を起こして表の鍵を開けてもらう。靴下は2枚履きだ。まだ暗い7時30分発。

9時30分頃若爾盖(ゾルゲ)に到着。汽車站の建物は改築工事中で雑然としていたが、松藩行きのバスが10時発ということを聞き出し直ぐに車票を購入。ここでの乗り継ぎはスムーズにいった。

 

13時少し前に松藩到着。朝食をとっておらず空腹なので、何をさておき食堂に入る。四川省に入ったということで麻婆豆腐をたのむ。辛い。でも美味い。四川の味だ。

宿を決めた後町に出る。松藩でのお仕事はビザの延長が出来るか公安局へ出向き確認することだ。町中にあるとみていたので探すが、みつからない。人に尋ねれば最近移転したとの事。だいたいの場所を聞き出したので、そう遠くはないだろうと思っていたが、宿の親父はタクシーで行けと言ってきかない。そして表通りまで出て電動自転車のタクシーを捕まえてくれた。そんなに高くなかったので乗ってみたが、実のところ公安の移転先は結構郊外で自力では辿り着けなかったであろう場所だ。そういうことだったのか、人の意見は素直に聞くものだなと思いながらビザセクションの女性に延長について尋ねると、他の職員に確認後帰ってきた答えは

 -----あなたのビザは香港発行なので私たちには延長する権限はない (英語で)

とのことだった。不可能ということは半ば予想していた事だったが、この回答にはちょっと考え込んでしまった。特に「香港発行なので」という箇所だ。言葉通り香港発行だから松藩ではできないのか、それとも、そもそもこの町で延長はできないのだろうか(それなら初めから却下されるはずだ)。もしくは、香港発行のビザはどこでも(省都成都でも)延長できないということなのだろうか。楽山での延長が簡単という情報が多いのでそのつもりでいたが、まずは成都で試してみなければならないだろう。成都で駄目だったら… これは最悪の事態も頭に入れておかなければならない、ということだ。(12/7)