もう少しだけ旅させて

旅日記、のようなもの(2012-16) 基本一人旅 旅に出てから日本語を使わないので、忘れないように。ほとんど本人の備忘録になりつつあります。情報は旅行時のものです。最近はすっかり懐古モードでひたすらノスタルジーに浸っています。

喇荣→天葬台→色達

喇荣→天葬台→色達

 

 

想像していたよりは居心地の悪くない喇荣賓館、なんだかずるずると連泊してしまいそうな気がした。しばらく宿泊している中国人の若者の気持ちがわかるような気もした。ただ少しだけである。せっかくのラルンガルなのに外に出ないでゲームばかりしているなんて。

これは恐らく引き籠もりの一種なのだろう。でも何故長期にわたり滞在できる場所でもないこの地を選んだのか。すぐに別の場所に移ることになるはずだ。

都会の子っぽいのでそれなりに金を持っているのだろう。中国では青年旅舎なら滞在費も安いうえに大抵WiFiが使えるので、旅行者があまり来ない静かな田舎を選んで渡り歩ているのだろうと推測した。そういえば今まで泊まった青年旅舎には長期組の若い中国人滞在者が必ずいたことを思い出した。近隣諸国に出た方が安く済ませられるはずだが、そういうわけにもいかないのが中国らしいといえば中国らしい。

 

午前中は散策。でも今日は小雪が時々舞い気を許して歩き回るには少々寒かった。丘に上って全体を見下ろすことも考えたが、標高高くて息が切れるうえに、寒いし足下は凍っているし、やっぱりそんな気分にはなれず言葉にはしなかった。

 

f:id:pelmeni:20160103022511j:plain

f:id:pelmeni:20160103022534j:plain

f:id:pelmeni:20160103022548j:plain

f:id:pelmeni:20160103022607j:plain

f:id:pelmeni:20160103022629j:plain

 

ゴンパから少し離れたところで鳥葬が行われていることをM君は知っていたので、うまくタクシーを調達できればその後色達まで行けるかもしれないとふみ、駐車場まで行ってみる。時間的に悪かったのかちょうど下に降りる乗合に群がる坊さん達でごった返していたので、宿に戻り受付にいる可愛い方のお姉さんに確認(他意はありません。英語を話せるからです)。タクシーはチャーターできるということなので、荷物をまとめてチェックアウト、途中昨日と同じ食堂で辛いスープの麺の昼食をとり、今度は空いている駐車場でタクシーの運転手と金額交渉、表題のルートを1台140元で決める。二人いるのでその半額が一人分の支払い。車をチャーターする場合は連れがいると大分助かる。

 

2時に天葬台に到着、2時半頃から始まる。変なモニュメントがこの場所に不釣合いな安っぽい観光地の雰囲気を漂わせていて、いきなりやるせない感情に陥った。ネット上での最新情報のとおり、見学場所はネットフェンスで仕切られ肝心な場所も幕が張られて見ることができない。釈然としない気分でハゲワシの群がる幕の向こうを想像しながら眺めていた。撮影禁止の表示もあったが中国にしては珍しく控えめな看板だったので、帰りがけまで気付かずにバシバシ撮りまくってしまったよ。やがて運転手がやってきたのでその場を後にした。無理して来るまでもなかったというのが正直な感想だ。

 

 

色達では彼岸花開青年旅舎に向かったが、ここも冬季休業だった。またしても! 向かいの店の親父さんは、老板は成都に行ったよ、青年旅舎なら裏にもあると教えてくれたので、一本裏の道にある雪域青年旅舎を訪れたところ、今は水が出ないという。この寒さで居心地が悪そうなのは二人とも嫌だったので町中の普通の宿で決めてしまう。しかし停電中ということを知る。おまけに水も出ない。ということはどこでも同じだったということか。寒い部屋は陽がさしているうちは何とかいられたが、暗くなるに従って気が滅入ってくる。話相手がいるので何とか気は紛れたが、魔法瓶で貰った湯でお茶ばかり飲んでいた。そして時間が来ればこの寒さの中夕食に出なければならない。外は相変わらず停電で暗いうえに小雪が舞っている。静かな中で商店のジェネレータの音だけが響いている。表通りに出て最初に目に入った食堂に飛び込む様に入る。客は皆ストーブの周りを囲んでいた(笑)。地元の人も大変なんだろう。料理の味と店員のお姉ちゃんが楽しそうに仕事をしていることだけが、我々の唯一の慰めだった気がする。