もう少しだけ旅させて

旅日記、のようなもの(2012-16) 基本一人旅 旅に出てから日本語を使わないので、忘れないように。ほとんど本人の備忘録になりつつあります。情報は旅行時のものです。最近はすっかり懐古モードでひたすらノスタルジーに浸っています。

大理で年越し

大理

 

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またこの時期になった。クリスマス、年末年始というのは、一人で旅行している自分にとっては特に嬉しいものでもない。街には人が溢れ歩きにくいし妙な音楽が流れ耳障りだし、西洋人達に同調する気にはなれない。ここ中国では今や世界的に有名になった春節の方を大々的にを祝うため、こちらを単に西暦の上での新年としかみなさない人が多いようだ。バーやレストラン、ほか若者が好きそうな店にはサンタクロースやハッピーニューイヤーの表示が見られるものの少数で、あまり目立つものではなかった。よかった。

この時期の麗江、大理の人の多さについては、それが通常通りの賑わいなのかどうかはわからない。やはり年末年始の人出の多さは多少あるだろう。しかし、どちらも良い町並みを持っているにもかかわらず、やはり残念な気持ちを禁じ得ない。

 

とりあえず三塔寺へ歩いて行く。30分位。入場料、高い(121元)。でも入らなければ近くで塔は拝めない。入ってすぐ手前の方に塔は立っている。これは見物だ。プロポーションも美しい。この様な塔は中国各地で見掛けるがここの塔が自分的には一番だと思う。ただ、塔は塔に過ぎず、すぐに見終わる。その裏手の広い敷地に寺があるのだが…、中国長く居過ぎたせいか、仏教寺院は各地で見ているのでちょっとやそっとのものでは感動はしない。おまけにここは規模が大きいが建物自体は皆新しく時間を経て纏った風格の様なものはない。古くからある歴史的建造物ではないのだ。散在している建物をめぐり奥まで行ったが結局疲労感だけが残った。見学は塔だけでいいのに…、門票は分けて欲しかったなあ。でも人民は大勢押し寄せていた。彼等は皆金持ちなのか。いやそんなことはないだろう、金の使い方が間違っているぞ。

疲れた足をひきずり宿に戻る前に街によってマクドナルドでソフトクリームを買う。これで4元なんて異様に安く思えた。コーヒー10.5元ですらそうだ。中国では金銭感覚がしばしば混乱してしまう。

 

元旦も普段通り寝坊をして遅い起床。それを咎める者は誰もいない。今更ここで新年を祝うという気分でもない。独りが好きなのだろうか?そうともいえるし、そうでないともいえる。旅先では祭り等で変に盛り上がったりするのは好きではない。淡々と過ごすのが好みなのだ。ただ正月ぐらいは節目だし気分を変えてもいいのではないかとも思ったが、今この宿には一緒に新年を祝う旅行者も誰もいないので、せっかくの静謐な空気にまったりと浸っていたい。結果、何も変えずにいつも通りのマイペース。

 

大理ではずっと一人ドミ状態だった。他に宿泊者は元旦に騒がしい中国人若者の8人組が一晩だけ泊まって去って行った以外は下階に一人西洋人旅行者がいるのみ、2人だけの貸し切り状態。静かでひと気が無く我が物顔でいられた宿の滞在にはある意味快感を覚えた。

でもこの街もかつては有数の沈没地と言われたものの、観光客が大挙して訪れるいっぱしの観光地となってしまってからは、なかなかのんびりというわけにはいかなくなってしまったようだ。