フランスに来てそれまでの国と明らかに違うことが一つある。カフェなどで一人でいる人の割合がぐっと増えている(特に昼間)。これは例えばギリシアなどではほとんど見かけなかった。ギリシャ、キプロス、イタリア等、まあ、今迄がツルむのが好きな人々の国ばかりだったせいもあるけど、そうだった、ここは個人主義の国なんだ、と実感した。おふらんすは僕にとって愛憎相半ばする国なのだが、これは愛のほうだな。
それにしても南仏寒い。ニースはそれ程ではないが、思っていたよりは寒かった。ニームは天気が安定せずはっきり寒いと感じた。ポン・デュ・ガールも吹きっさらしで寒さが厳しいので早めに退散した。カルカソンヌにいたっては、寒さと強風と雪で、気分は遭難者だった。旧市街の城壁の上を歩こうと楽しみにしていたのに、吹雪で5分といられない。寒くて観光どころではなかった。気温は2℃。考えればもうピレネーの麓近くに来ているのだ。おかげで居心地の良かったブラッスリーや美味しかった食事のことばかり思い出す。