もう少しだけ旅させて

旅日記、のようなもの(2012-16) 基本一人旅 旅に出てから日本語を使わないので、忘れないように。ほとんど本人の備忘録になりつつあります。情報は旅行時のものです。最近はすっかり懐古モードでひたすらノスタルジーに浸っています。

建物めぐり

建物めぐり



結局バルセロナではガウディを中心とした建築めぐりに終始した。学生時代以来の2回目の訪問となった。前回は美術館やモンジュイックの丘、サグラダファミリアグエル公園などに行っている。


サグラダファミリア教会については、今回訪れ、大方完成された内部が前回の印象と全くと言っていいほど違っていることにまず驚いた。高い天井と明るい光にあふれ何かモダンな雰囲気さえ感じられる。当時の内部は足場だらけで薄暗く、何が何だかわからなかった記憶がある。



結局、できてしまったんだよなあ。

外部はまだ建築中だが、これもいずれできあがる。

今回会ったとあるスペイン人たちは皆笑いながら言っていた。
誰もサグラダファミリアの完成は望んでいないんだ、永遠に建築中でいて欲しいんだよ、と。

それは多くのバルセロナっ子の本当の気持ちだと僕は思う。
百年かけても出来上がらない建物なんて、いまのところ地球上には存在しない。常に建築中であることがこの地での生活の一部であり、自分が生きているうちには完成した姿を見ることはないのだ、と。
そんなところに皆ロマンを感じるのではないか。

でも、今そこらへんで遊んでいる小さな子供たちは、もしかしたら幸運にも死ぬ間際に完成したサグラダファミリアを目にすることができるかもしれない、というところまで来ているようだ。



できてしまった、とは、終わってしまったということと同義だ。

実のところ、特に多くの感動はなかったし、晴れ晴れしい気持ちにもならなかったが、こうして二度にわたって訪れることができて、何か見届けたという感はある。
ガウディが精密な図面を残しているわけでもなく、彼の他の建築と比べれば決して優れたものではない。
この史上稀な存在であることが人々の心を誘い寄せる要因となっていると思う。
ただ、完成しているわけでもない今、厳密な判断を下す必要もないだろう。無事の完成を祈り、唯一稀有な存在であり続けることに敬意を表したい。


他に訪れたものとして、カサ・ミラ、カサ・バトリョ、グエル邸、コロニア・グエルの教会… みなすばらしい。サグラダ・ファミリアの5倍以上(当社比)はすばらしいのではないかと思える。以前は内部に入ることのできないものも多かったが、今回ガウディの住宅をまとめて訪れ、本当に隅々までに彼のセンスが吹き込まれている様がよくわかった。写真だけみながらあれこれ想像している時分には装飾過多とか何か too much な印象を抱きがちだが、実物を目の前にするとデザインの力に圧倒されてしまう。


カタロニア音楽堂。これは今回バルセロナに行くと決めた時からぜひ訪れたいと楽しみにしていた建築だ。有名な光の雫を模した天井は息を呑むほどすばらしい…ただもう少し近くで見えたらなあ…うん、写真のマジック…もちろんその他の精緻を極めた内部の意匠も感動的だった。
また来たいな。



毎日出歩いて、毎日雨に降られた。宿の近くまで来ている時は決まってランブラスのとあるカフェに駆け込んだ。エスプレッソが日に日に美味しく感じられたのは、気のせいだろう。


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