川沿いの船着場から小さなモーターボートで対岸に渡ると、そこが水上集落、カンポン・アイール。
結構規模が大きい。アジアの込み入った町を歩き慣れていない人には、迷路の様に思えるだろう。
ここが大通りなのだろう。何台ものモーターボートがスピードを上げて行き交っていた。
陸の上に政府が住宅を作って移住を促しても、結局は水の上に戻ってしまう、ということを以前伝え聞いたことがある。
それで多分あきらめたのだろうか、新しい水上住宅が作られていた。PCの杭の上に真新しいごく普通の新築住宅が乗っている。住み心地の違いが彼らにはわかるのだろう。
金曜の午後はこのモスクに集まる。
ここにはやはり敬虔な人が多いようで、新しい街の方も金曜の午後は人っ子一人外出していなかった。
木製デッキの歩道をコンコンと音をたてながら歩く。場所によってはごく普通の日常生活の最中を通り抜けていく。手を差し出せば触れることができるほどリアルな時間と空間がそこにある。でも、水の上。
何はともあれ不思議な体験。