もう少しだけ旅させて

旅日記、のようなもの(2012-16) 基本一人旅 旅に出てから日本語を使わないので、忘れないように。ほとんど本人の備忘録になりつつあります。情報は旅行時のものです。最近はすっかり懐古モードでひたすらノスタルジーに浸っています。

'99アジア その3 ネパール1

旅も長期に渡れば常に良い時間を過ごすことができるわけではない。特に人々の考え方や習慣を知らない外国にいるのだから、流れに無闇に抗ったり逆らったりすることは必ずしも得策とは限らない。ここは運が無いなと感じたら、 まずは何とかうまくやり過ごすことを考えよう。色々な感情を秤にかけて、結局予定を切り上げ逃げ出した場所は幾つかある。旅は長いのだから、他所で楽しい思いをすればよいのだ。

 

 

ネパール

(スノウリ)→タンセン→カトマンズ→(スノウリ)

 

ヴァラナシ駅のインフォメーションで予約したネパール行きツーリストバスはツーリストバンガロー前から朝8時半に出発、国境の町スノウリに夕方遅くたどり着く。各自が手続きをして国境を越えネパール側の町で宿泊、翌朝それぞれの行き先のバスに再び乗り込むという行程だった。初め外国人旅行者に前方から席があてがわれ、余った後部の席にネパール人と大量の荷物が送り込まれたそのバスは居住性などという言葉が存在しない世界の代物だった。狭い3+2列の座席に詰め込まれ、西洋人旅行者はみな途中から苦行僧のような表情になっていた。ただフランス人だけは相変わらず喋る事を止めない。どこでも喋るんだなこいつらとその時思ったことは今でも憶えている。

 

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最初の町はタンセンだった。山の中腹にある古い町で趣の有る町並みはとても気に入った。でも今憶えていることといえば強烈な下痢で苦しんだということだけだ。旅の最中にお腹の具合が悪くなることは度々あるのだが、疲労→風邪や発熱→下痢というパターンは意外と多く、この時がおそらく最初だった。夜になり1時間毎に強烈な差込みが繰返され、その度に便器にしがみつき、結局朝が来るまで落ち着くことはなかった。妹尾河童氏のヴァラナシでの体験と同じようなものだ※。その後もしばらくの間お腹がぐずつくおかげでまともな食事もする気になれず、体調を考えれば大きい町の方が良いのでポカラではなくカトマンズに向かった。

※ 河童が覗いたインド / 妹尾河童著 / 新潮文庫

 

f:id:pelmeni:20170713145357j:plain町から外れて散策をする。南側の山々の風景が自分の目線よりすべて低かった。

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f:id:pelmeni:20170713145557j:plain地元の若者とだらだらと話ばかりしていたが内容は憶えていない