インド3
ラジャスタンはそれぞれの街に独自の文化と特色が感じられ興味深く思えた
ピンクシティ ジャイプル おばちゃんもピンク
ブルーシティ ジョードプル 高所からの眺めに真っ青
宿主にホーリーのお祭りへ駆出された人たち
ゴールデンシティ ジャイサルメル 格調の高さに心を奪われる
以下当時の日記より抜粋
デリ-に帰ってきた。何となくだが虚脱感のようなものを感じる。
知らない土地を訪れる度に覚える興奮の連続こそ長旅の醍醐味なのだが、そんな中少しでも知っている場所を再訪すると、言い様のない安堵感を覚える。そういえば「帰る」ということに久しく縁のない旅をしていた。初めての経験に対する感受性は鋭敏になっているのだが、それだけでは、たとえ楽しくても疲れが知らぬ間にたまってしまう。
…といってもたかだか20日ぶりのこと、デリ-は何も変わってはいないのだが、インドでの20日はこちらのモノの捉え方を確かに変化させている。何も大事が起きたわけではないが、極く平凡な一日本人にとっては何かを覚醒させるには十分な経験であった。それまで生きていた世界との微妙なズレといった程度のものから、柄でもなく内省的に考え込んでしまうことまで、あらゆることがあらゆる方位にグラデ-ションのように点在する。それは本当に多種多様で、美しい地図が描けるんじゃないかと想像してしまう。
でもそのことを「ナンでもありだ」なんて浅い言葉で書きあらわしたくはない。
疲れているのだと思う。実際、あまりに気ままに自分の興味のみで動いていくことに懐疑的になっている。まあ無理はない。暑さ(体力的)とインド人(精神的)に、ボディブロウを打たれ続け、じわじわと消耗してきたのだろう。思い返してみれば、リラックスのできるコミュニケ-ションにも欠けていた。金銭を介さない人々との普通のやりとりがしたかった。元々少なかったそういう機会を自分で更に狭めていたきらいもある。インド人の思考方法、行動様式、社会のシステムとの付き合いは一筋縄ではいかない。ある程度慣れ始めた今もっても、まだそれらと程良い距離をとることができていないと感じる。
でも僕はこの場所が嫌いではない。むせ返るように過剰な人間臭さにむしろ好感を感じている。これだけの日本とかけ離れた文化、社会、土地柄をもっている国に興味は尽きない。
ただ、少し駆け足だったかなと思う。2カ月という時間は本当に中途半端である。これが2週間であれば、「印度、去りがたし」という感想と共に大方気持ち良く去ることができるだろう。でも2カ月ともなると多くのことに半ば混乱している自分に気付くのだ。このまま去ってよいのだろうか。足を踏み込んでいる多くのものを、もう少し掘り起こさずに立ち去ってよいのだろうか。そもそも、その人に合った旅の適切な時間とはどうやったら決めることができるのだろうか?
僕はインドを求めた。しかし彼の懐は大きく、もがいているうちに外へ放り投げられてしまった。そんな感じだ。
これは、もう一度来なければならない。
結局2度目の滞在では精力的に動き回ることは少なかった。体力的にも精神的にもすこしばてており、輝かしいものにもその光を認め得ることが難しかったように思える。
携帯していたガイドブックに次のような一文が載っている。言い得て妙とはこのことだ。
You'll love and hate it. India has absolutely everything; You'll get sensual and cultural overload.
※ まあウブだったということですな〜 居たけりゃビザが切れるまで居りゃいいんだけどねえ でもこの後に行く中央アジアの入国日がビザで決められているから どうしようもなかったんだよね(笑) 長旅あるある、です
今も昔もコンノートに変わりはない 15年後もほとんど変わらぬ佇まいだった