もう少しだけ旅させて

旅日記、のようなもの(2012-16) 基本一人旅 旅に出てから日本語を使わないので、忘れないように。ほとんど本人の備忘録になりつつあります。情報は旅行時のものです。最近はすっかり懐古モードでひたすらノスタルジーに浸っています。

'04南米 その5 アンデス息切中

 

ボリビアの首都ラパスはそこそこ近代的な街でビルも多いですが、その足元に拡がるのはアジアの様に込み入った市場と屋台群です。この対比が何ともいえないですねえ。すり鉢状の地形でその真ん中が町の中心ですが、周囲を囲む斜面に住宅が拡がっているのはちょっと見慣れない光景です。

 

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f:id:pelmeni:20190103194037j:plain街は縦に長く坂も多いので車で移動~

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マチュピチュチチカカ湖に続きアンデス観光のハイライト、ウユニ塩湖を目指します。ラパスからウユニへはオルーロという街でバスの乗継になります。オルーロからは夜行です。この頃は長時間や夜間の移動を全く厭わずにガンガン突き進んでいました --- なんて格好の良いことではありません、他に移動手段が無いだけです。

ボリビアのバスはこの旅で乗った車体ほとんどがブラジルのお古でした。この辺りにお国の力が表れます。おまけに山岳地帯は道路がくねくね曲がっているので乗っているだけで疲れます。ひたすら我慢する他ありませんが体力勝負の感もあります。

 

f:id:pelmeni:20190103194904j:plain道中事故で立往生となっても、そんなものかと平然としていられました。南米旅には精神力が鍛えられます。

 

 

ウユニへはまだ暗い明け方に到着。近くの旅行代理店に転がり込んで当日の一日ツアーを申し込み、出発の10時までその場で仮眠させてもらった。

ボリビアの雨季は11月から4月頃までです。この旅行時は11月下旬、既に雨季に入っていたのですが雨はまだ少なく、残念ながら有名な鏡張りの光景は見られませんでした。ただそれでも不思議な光景には変わりなく、水鳥のいる湿地やサボテンが多く生えている「魚の島」など巡りましたが、やはり一面の白い世界が印象強く記憶に残っています。この辺りで食べる料理にはこの塩湖で切り出された塩が使われているのだろうか?と考えるだけで、暫くの間は簡素な料理もちょっとは美味しく思えました。

湖の中にある有名な塩のホテルは、排水が環境を汚すということで既に宿泊はできず、保存するということでした。陸の方に新しい建物を建設中でした。

 

f:id:pelmeni:20190103234058j:plain暑くはないけどサングラスは必須!

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アンデスから下界に降りる前にポトシに寄りました。ここはかつて鉱山で栄えた街で、コロニアル様式の建物や街並が見所です。ただ、どことなく薄暗い雰囲気も多少感じられるところなど個人的なツボにはまりました。感覚的に一筋縄ではいかぬモノが好きなのです。さらに、標高が高い。4,000m以上ある! 息苦しい! なのに坂道が多く難儀しましたが、それでもウロツキ廻ってしまうほどの不思議な雰囲気のある街。

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この頃になるとさすがに空気の薄さには飽き飽きし始めていた、というか、もうたくさんって気分でした。この先のルートはパラグアイアスンシオンへ行くか、それとも東進してブラジル方面か。まだ決めかねていましたが、とりあえずは低地のサンタクルスに降りることが、そんな訳で楽しみでした。

スクレで乗継のバスの旅。毎度おなじみの長時間移動ですが、もう多少のぼろいバスでも体が馴染むように(笑)なっていました。でもこの道は酷かった。舗装、非舗装のガタガタ道が交互に続いたかと思えば渋滞でストップ。事故ではなく休憩しているトラックが道の半分を塞いでいるというなんともいい加減な世界。

でも、標高が下がるにつれ蒸し暑さが感じられ確実に空気が濃くなっていくのが感じられた。車窓に樹木の緑が増えていった。雄大な山岳地帯や河川の傍らを走り、質素な佇まいの集落を通過する。夜中に初めて見た南十字星の美しさ。

 

必ずしも居心地は良くないけれど、事ある毎に長時間バスにひたすら揺られ続けることで、何か自身の感覚が強制的に南米のリズムのようなものに同化させられていくような気がしていました。気が付けば、何事においても日本の日常とはかけ離れた桁違いのスケールを持つ南米というものに、自分の感性が取り込まれていることがわかりました。

新しい世界を知るということは、何時でも何とも心地良いものです。