吐魯番近郊一日旅游
吐魯番では吐魯番賓館に部屋をとる。正午過ぎに着きレセプションで受付をしている時に、一人の西洋人バックパッカーとすれ違った。彼はチェックアウト。特に言葉を交わすこともなく、よくあることだ。
前の晩は夜行バスだったので、午後3時頃まで一眠りする。その後街へ。旅行会社らしきものを探すが上手い具合にみつからない。トルファン近郊にある遺跡などを車で巡るのが良いのではと考えたのだ。言葉が通じなかったり何だったりで、がっかりしながら宿に戻る途中、ホテルのすぐ近くにそういえば何かあったかなと思い出し小さなオフィスを覗き声を掛けると、そこは日本語を話す女性職員のいる旅行会社だった。往きがけには確か彼女はいなかったはずなので、何という運の良さ! 翌日の車のチャーターを、その場で行先を選び少し値切って決めてしまう。これで一安心。このところ日本人のお客さん全然イナイですよー、とのこと。
夕食は小ぶりのナイトバザールで久しぶりの砂鍋。というか、これかケバブしか選択肢がなかった。(11/1)
朝10時のロビーに降りてゆくと人の良さそうな感じの親父が待っていた。彼がドライバーだった。10時といってもそれは北京時間で、現地時刻は8時なので太陽は高くない。街を外れると道端の樹木の間から漏れる斜めの光が美しかった。
本日のルートは 吐魯番→蘇公塔→火焔山→柏孜克里克千仏洞→トルファン・カレーズ楽園→交河故城→吐魯番
ドライバー氏はガイドではなく見学中は外で待っているので運転してくれるだけだった。名前を教えてもらったがすぐ忘れてしまった。
・蘇公塔
蘇公塔のプロポーションは美しい。中央アジアに数あるミナレットのうちでも五本の指に入るのではないかな。でも見続けているうちに何かの形に似ていると思った。それは、マヨネーズの容器! 近くで見ると表面にある装飾も相まってもう少し官能的なボリュームだ。隣接するモスク本体は外観はそれほどでもないが、内部は光の具合により多数の柱が浮かび上がり美しく見える。ウズベキスタンのヒヴァやブハラを思い出してなんだか無性に行きたくなった。
・火焔山
ただの赤い山肌の荒れた光景だが、真夏になればかげろうが立ち昇り山が火に炙られているようにみえるのだろう。容易に想像できるが、実際に頭がくらくらするような灼熱の中でそのような光景を見てみたいとは思わない… 今の時期、無料のビューポイントで十分。
・柏孜克里克(ベゼクリク)千仏洞
峡谷の崖にある仏教石窟群。とはいってもインドのアジャンタとは比べてはいけないレベルだ。規模も小さく、壊されたり盗まれたりで保存状態が悪く見ることのできない窟が多い。そのせいか入場料があまり高くない。ロケーションは良い。
・カレーズ楽園
カレーズ博物館は簡単だがわかりやすい展示。仕組みがよくわかり意外と好印象。しかし、イランの砂漠から中央アジアを経てここ東トルキスタンまで同じ文化なのだなあ。
もう少し季節が早ければブドウ園はきれいだったのだろう。でも今はちょうどシーズンが終わったところで枯れた葉や弦の処分の時期だった。
・交河故城
たっぷり1時間かけてこの古代都市の遺跡を奥まで見学。あまりメリハリの無い遺跡なので想像力が試されるところだ。実をいうと少し退屈だったが、一番奥の寺院に崩れかけたブッダの小さな彫刻の痕跡が残っているのを見つけ、少し心が動いた。よくぞ今まで残っていてくれた、と何か讃えたい気持ちになる。
ここまで約5時間。楽しかったです。車窓はほとんど砂漠で時折見られる緑も淡く華奢なもの。遠くに見える山肌には樹木も無く乾いた光景が延々と続き、気分は中国というよりはやはり中央アジアだ。
ドライバー氏とは英語で簡単な会話ができたのが良かった。
車代300元の価値はあったかな。もう少し安くても良かったかもしれないが、不満という程ではない。
吐魯番の街に戻りドライバー氏の知り合いの食堂で遅い昼食。卵とニラの入った珍しいラグマンをたのんだ。近くのモスクに行き写真を撮ってもらい、その後中心部で別れた。(11/2)
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【宿泊】 吐魯番
・吐魯番賓館 200元