冬枯れの九塞溝
松藩まで来たからには当然ながら九塞溝にも寄ってみた。淡期(オフシーズン)の入場料は80元とグンと値下がりするが、域内のバス利用料金が80元なことはどうしても解せない。さすが中国、最初から最後まで気持ち良く観光できることなど滅多にない。
どのガイドブックをみても、口をそろえて「できる限り朝早く入場して後から群を成してやってくるツアー客を避けろ」と言っているのだが、この時期は早い時間に行っても辺りはまだ暗く見えるものも見えないはずだ。それほどツアー客もいないだろうとみて明るくなった9時頃入場。確かにツアー客は多くはなく許容範囲内であったが、山間のためそれでも陽は姿を現すか現さないかといった時間だった。日光が当たっていないと美しい水の碧さが見られない池もあるのだ。
とりあえず一番奥の原始森林まで行ってしまおうと思ったが、バスは手前の箭竹海止まりだった。そこで奥まで歩いてみようとしたが、「立入禁止」の看板。後でわかるが「防火警戒時期」「立入禁止」の看板とネットフェンスで多くの散策路が封鎖されていた。これは、乾燥したこの時期だけの処置なのだろうか。それでもフェンスを乗り越え勝手に入っていく人民がいることには驚いた。
九塞溝自体は超有名処で、ここで敢えて説明するまでも無いだろう。ただこの時期、湖や池の綺麗な水の色に調和する水際の緑はほとんどなく、代わりに枯れ果てた木々の枝の白さと相変わらずの水の碧さの対比が、写真や映像で見慣れた光景とはまた違った意味で印象的だった。この時期もそれほど悪くはないと思った。