もう少しだけ旅させて

旅日記、のようなもの(2012-16) 基本一人旅 旅に出てから日本語を使わないので、忘れないように。ほとんど本人の備忘録になりつつあります。情報は旅行時のものです。最近はすっかり懐古モードでひたすらノスタルジーに浸っています。

サインカーブ主義

サインカーブ主義




実は僕はサインカーブ主義者であり、あらゆるものは時系列とともにサインカーブのように浮き沈み、プラスマイナス、その他いろいろな角度や速度を包括しながら進んでいく、という実に大雑把な認識を信奉しているのだ。


そもそもは大学で、ジョセフ・ベルモンというフランスの(確か)官僚かつ建築家である人間を呼び集中講義をしたときのことである。

彼はまずホワイトボードの左端にY軸を据えX軸を右に大きく伸ばした、そしてそのうえに波型のサインカーブを書き加えて、なんと、地球の、人類の歴史を説明したのだ。X軸は時間であることはわかるのだがY軸は厳密にいうと何を表すのかということはさておき、大まかではあるものの妙に視覚的に印象強く納得してしまった記憶がある。

さらに彼は日本の歴史にもそれをあてはめ、一番右にある山の少し下りかかったところを指して「今日本はこのあたりにいますね」とのたまった。時はバブルが弾けて少し経った頃。確かに下り始めた兆候は周知の事実だったが、その後のサインカーブ通りに下り坂を転がり続けていくことなど誰も知らなかった…


この方式の良いところは、時間軸に未来も設定できる。
それでサインカーブ。ということは、今悪くともいずれ良くなるよということが言外に含まれている。
裏を返せば今良くてもいずれ落ちてゆくよと。

よくみると実にいい加減というか、楽天的でラテンな考え方が気に入ってしまい、以来勝手にサインカーブ主義と名付けて勝手に信奉している次第である。




そんなこと、まるで掘り出されたかのような古びた昔の記憶とともに、思い出している。


せっかくの出発の気をそがれ、再び猫のようにまったりとした日常サイクルに戻りつつあるのが、良いことなのか、悪いことなのか… などと考えてる時点でダメだこりゃー。