カンパラの喧騒を離れジンジャという町にやってきた。
最初は気が付かなかったことだがこの町のすぐ前がナイル川の始まりということになっている。ビクトリア湖から流れ出す水量はエジプトを流れるそれの5%に相当するという。というか、たったそれだけの量でしかない。途中、どれだけの長い距離を、どれだけの水量を併せ飲みながら地中海にたどり着くのか。果てしない想像力が試されるが具体的なイメージなんて湧くわけがない。でもエジプトから陸路でずっとここまで辿ってきた旅であったのなら、もしかしたら感じ方も違うのかもしれない。ガイドブックを読みながらそんなことに、暇を持て余している我が頭脳を使っていたら、ぜひとも訪れたくなった。カンパラからはケニヤ方面に向かう途中にあるからその後も好都合だ。だったら行こう。思い立ったら吉日、でも夜だったので翌朝。カンパラあまり見ていないけど長居する処でもなし。ここでは街中に溢れ出す人間たちのパワーを感じ取れば個人的には充分だと思えた。
ジンジャ自体はこじんまりとした町だ。メインSt.にはカラフルに彩られた建物も何件かある。
町中から離れるとのんびりとしてるが、緑は濃く、時々見られる鮮やかな色をした花が印象的だ。気持ち良さそうに木陰で休んだり昼寝をしている人も見かける。アフリカらしい情景だ。
「Source of the Nile River」なる公園は川の両側にあるが、眺めが良く雰囲気があるのは町の対岸の方だ。
地図のうえではダムの上を通る道伝いにしか行けないようにみえる。これはこれで眺めの良い道中ではあるが、歩くと町中からは1時間半以上も掛かる。でも実は鉄道の鉄橋の脇に人と自転車、オートバイまでなら通ることのできる橋が併設されており、こちらを使えば時間は大分短縮できるものの、あまり面白みは無いかもしれない。
入口近くで暇そうに寝ている職員に5000シリング払って中に入るとちょっとした公園のようになっている。そりゃそうだ、ここの名前は ”Source of the Nile Garden” なのだから。結婚式場まであるらしいのだが見つけられなかったぞ。
木陰の涼しいところから、ナイル川がビクトリア湖から流れ出す光景をじっと見つめていた。階段を伝って川縁まで降りることもできる。何があるわけでもない高台なのだが、静かで人もいないし眺めは良く、1時間くらいあっという間に過ぎてしまった。