もう少しだけ旅させて

旅日記、のようなもの(2012-16) 基本一人旅 旅に出てから日本語を使わないので、忘れないように。ほとんど本人の備忘録になりつつあります。情報は旅行時のものです。最近はすっかり懐古モードでひたすらノスタルジーに浸っています。

'99アジア その5 インド2

インド2

 

(ネパール)→ヴァラナシ→デリー→アーグラー→ボーパル/サーンチー→インドール→アジャンタ→アウランガーバード/エローラ→ムンバイ→アフマダバード→ジョドプール→ジャイサルメル→デリー→ジャイプル→チャンディガル→アムリトサル→(パキスタン)

 

疾風怒濤のインド旅再開

ヴァラナシを経由してデリーに着く。先は長いのでカメラを何とかしなければならない。まずはコンノートサークル中央の公園地下に広がるパリカバザールへ。日用雑貨や衣料、宝飾品等を扱う小さな店舗が無数に犇きあっている。ぐるっと廻って幾つかの候補から中古のオリンパスOM-2n+50mm/f1.8に決めた。現金払いだったので近くにあるCITIBANKのATMから引き出した100ルピー札62枚!で支払った。ついでに別の店でトキナーの135mmも購入。(余談だが帰国後盗難保険でおりた金額より結果的には安く済んだ)

やはり一眼レフをここで入手して良かった。フジフイルムTiaraZoomはそのクラスのコンパクトカメラとしては画質が良かったが、少し暗いと露出が不安定になる。また広角端での周辺光量の低下もある。比べてしまえば仕方がないことだ。ただOM-2nも日本製とはいえインドで使われた中古品なのですぐには信用できなかった。ネガフィルム1本撮って現像が上がってきてようやく安心できた。

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f:id:pelmeni:20170721155843j:plain試し撮り;メインバザールの朝と夕

 

 

f:id:pelmeni:20170720013215j:plain朝もやに霞むタージマハル 日の出直前のまだ静かな時に訪れるべし

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f:id:pelmeni:20170720014606j:plainアジャンター、エローラはインド観光のホットスポットのなかでも白眉だ

 

 

インドを旅して楽しいことも多く急速にこの国に魅かれていったのだが、そこはやはりインド様、気を緩め隙を見せると強烈なカウンターパンチを喰らう。

 

 

最悪な夜

ボーパルはサーンチ遺跡へ行くために立ち寄った町だ。でも列車で駅に着いた端からおかしかった。出口を間違えたことに気付かず、中心から外れた方向へ延々と歩いてしまって疲れた。何で気がつかなかったのだろう。ぐったりだ。

そういえば日本を出て1ヵ月半、休み無く動き続け疲労もたまってきた。とにかくこの数日は暑いので判断力が失われ、この日みたいにつまらない間違いをすることが多くなってきた。

初日に泊まった宿は蚊が多く、これは嫌だったので翌日宿替えをした。今度は4階の部屋だったので大丈夫だろうと安心したのも束の間、日暮れとともに目に見えて部屋の中を飛ぶ蚊が増えてきた。どうやら敷地裏の空き地が発生源のようだ。

インドの建物は一見きれいに見えても近くに寄ればことごとくボロいということは、旅行した人であれば誰もが知っていることだろう。この部屋も壁に嵌っているエアコンの隙間や窓ガラスが抜けている浴室の窓など本当に安普請を通り越している。怒りが込上げてくるほどだ。日本の常識で海外を旅していけないことは多分にインドで強烈に叩き込まれた。

隙間に紙で詰め物をして浴室のドアをきっちりと閉める。でもそれでも安心というわけにはいかず、一匹ずつ潰していくしかないと思い手を叩き始めた。

しかしまったくといっていいほど効果が無い。何なのだこれは? 途中から数を数え始めすぐに100にたどりついた。そのあたりから戦慄を覚え始め狂ったように蚊を殺し続ける。その数200に達したところでこれは逃げるしかないという結論に達し、屋上に上がった。

そこは8階に相当するので大丈夫だろうとみた自分は甘かった。持ってきた寝袋に頭まで潜ろうが奴等は耳元に忍び込みブンブンうなるのだ。もう駄目だ、腕でも足でも差し上げますからどうか耳元でだけは騒がないでください! 眠ることなどまったくできないので諦めてフロントへ降り、夜番の兄ちゃんに駄々をこねて迷惑がられる。でもかわいそうと思われたのか、部屋近くのエレベーターホール(多少はマシだった)で横になっていたら、蚊取り線香を持ってきてくれた。でも部屋に戻れなんて言わないでくれ、あそこは蚊の巣窟なんだよ!

そう、不思議なことに、外も白み始めてきた朝の6時頃になると、今日のお勤めはこれで終わりですといった感じで彼等はすっと姿を消したのだ。

あれは一体なんだったのだ? 夜が明けすっかり蚊の痕跡が消え去った部屋で僕は文字通り呆然と昨夜の惨状を思い返すのだった。こんな忌々しい所に長居は不要だ。ゆっくりすることなく寝不足のまま朝のバスに乗り込み次の町へ急いだが、コレまた忌々しいほど乗り心地の悪いTATA製バスだった

 

蚊はイヤだね、どこの国でも。

 

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サーンチの遺跡は良かった 求心的な形態には神秘性を感じる